夏休み恒例富士登山
(UPDATE 1998/8/23)

富士登山の輪’98年版(登山報告メール集その1)


1998.8.10に富士宮口から挑戦の内田信弐さんのお便りdaboshin@i-kochi.or.jp

内田さんのHomePageへリンク(下の登山記が写真入で見られます!)
富士山登山記
高知市 内田 信弐
8/10に次男(夢二郎、小2、7才)と一緒に富士山に登ってきました。
去年の夏休み長男(力太、当時小4)と二人で自転車で四国一周。その時留守番役だった次男が今年の夏休みは「僕も行く」と言うので全く同じでは面白くないと相談の結果、テーマを「山登り」に決定。
四国第1峰の剣山(1995m)第2峰の石鎚山(1985m)そして日本一の富士山の3峰の登山を計画。
 登山は全くの素人の私は夏休みに入る前に本を読むやらインターネットのホームページを見るやら、はたまたスポーツ店に登山用の靴を買いに行くやら色々準備が大変。なかでも太田さんのホームページは大変参考になり、また色々アドバイスを頂きありがとうございました。
さて登山記です。
8月9日
6:30
妻と長男に見送られ自宅を出発。腰に付けた万歩計をリセット。空港へ
7:40
ANA 569便で羽田へ
10:10
こだまで新富士へ向かう 新富士駅で昼食
12:15
富士急バスで富士宮口五合目へ 途中の浅間大社でバスが止まって「お好きな方はお参りを」と言うのでお参り。巫女さんから富士宮口登山道の地図を貰う。
14:20
五合目着 高知から500mlの爽健美茶2本と水1本を持って来ていたが念のためと水1000mlを400円で買う。自動販売機のジュースが150円だったのを子供が見つけて「少し高いね〜」と興味を示したので上に登ればいくらになるのか調べようと話す。万歩計を確認 5265歩
14:25
登山開始 子供はTシャツ 半ズボンでトレーナーを腰に巻く 私は長袖のシャツに薄手のジャンパーを腰に。すぐに環境庁が2億円掛けて作ったというトイレがある。田舎のキャンプ場にあるトイレみたいな物。「これで2億円か〜」と変な感心をする。
14:45
新六合目 ラーメン うどん等のノボリがたくさん立ててあって何だか海の家みたいと話しをする。自動販売機の値段をチェック 250円 万歩計6831歩 まだまだ平気 5分休憩
15:10
六合目 営業していない 10分休憩 新六合目からここまで2〜3分の軽い休憩を3回。少し寒く感じられたので子供に長ズボンをはかせトレーナーも着せる。 万歩計 7936歩
16:10
新七合目 かなり疲れてくる。2〜3分の軽い休憩は4〜5回その度に水を飲んだりキャラメルを食べたりしたので五合目で買った1000mlの水はもう半分位ない。トイレを借りる。自動販売機はなく飲み物は小屋の前で桶に入れて売っていたためいくらなのか不明。 万歩計9528歩 10分休憩 永い休みは取らずとにかく少しでも上を目指す。
17:40
元祖七合目 とにかく辛い。2〜30m行っては休む。休んでは子供と「次はあの岩まで行こう」とわずか2〜30m先の目標を定めて進む。かなり寒くなったので二人ともジャンパーを着る。小屋のすぐ手前まで来ると学生風の若者が「何処まで行きますか〜」と声を掛けている。富士山にまで客引きがいるのか。もうここで泊ろうかと子供と相談するが予約を入れてあるのと今日中にちょっとでも上に登ってという私の気持ちがあり八合目を目指す。自動販売機 350円 万歩計 11757歩
19:03
八合目 自動販売機 350円 万歩計 13643歩。ここまでは本当に辛かった。何度か休憩を繰り返しながら進む内に子供がうつむいて泣き出してしまった。時々下を見ては「もうこんなに来たじゃないか」と子供をはげまし2〜30m先に目標を定めては「あそこまで頑張ろう」と手を引いて進む。子供は休むと涙がでるみたい。「辛いのか」と聞くと「下を向くと涙が出てくるの」との返事。かなり寒い。
 あと100m程の所で御殿場口の八合目の山小屋から来たというハンテンを着た若者が4人連れの登山客に「御殿場口の八合目の小屋は空いてますよ。ここの八合目は夕食は7時までに入らないと食べれないし夕食のカレーは一杯だけですよ。御殿場口では9時まで食べれるしお替り自由ですよ。」と盛んに客引きをしていた。4人連れは心を動かされた様子。
 客引きの兄さんの言うことは本当でした。7時3分に山小屋に着いてさっそく受け付け。「予約をしてあった高知の内田ですが」「一泊二食の方ね。7時過ぎてるじゃない。夕食は7時までと言ってあったでしょう。切りがないんだよね〜。ちょっと待ってて。一応聞いてみるから.....やっぱり駄目だって。朝のお弁当は用意してあげるから。」と何だかこちらが悪いことでもしているみたいに言われてしまいました。
 それで一泊朝食分の6000*2=12000円を払って奥へ。靴を脱いで右へ曲がるともうそこは布団がびっしり。真ん中に60cm幅の通路が2.5m程、その両脇と奥に二段に布団がしいてあります。二段ベットと云うよりは胸の高さに床をもう一つ取り付けた感じ。丁度漢字の凹型の床が二段あっていっぱいに布団が敷いてあります。そして凹型の外の壁側に枕がすき間なく並べてあり凹型の引っ込んだ方向に足を向けて横になる形です。そしてその内の二つの枕を指定されそこに寝ろというのです。掛け布団は二人に一つ位の割り当てですが、二人に指定されたのは別々の布団。お互い他人と一つ布団で寝ろということです。これはどうにか満室ではなかったので解決しましたが、満室のときには他人と一つの布団で寝るのは嫌でしょうね。
 荷物を整理して高さ1m位の所にある梁に打ってある釘に引っかけ、布団の上では飲食禁止というので爽健美茶と高知から持参したフランスパンを持って外にでると、先ほどの受付のおじさんが子供に「かにパン」をくれました。食料を持って来てないと思われたのかな〜。気圧の関係か「かにパン」の袋がパンパンに膨らんでいるのを見てえらく子供は喜んでましたけど。
20:00
消灯、消灯後も何人か泊りに来てました。高山病なのか両側のおばさんと子供が何度かもどしてました。おばさんは大阪から来たと言ってましたがかなりきつい様子で朝起きたら下山するそうです。
2:30
点灯、頂上でご来光を見る人は出発です。
2:50
再び消灯
4:40
点灯、小屋の前でご来光が見られるというので急いで身支度をして小屋の前に子供はTシャツ トレーナー ジャンパーに長ズボンその上に携帯用のレインコートを着て私も雨具まで着用。「何で雨が降らないのに雨具を着るの」と子供の素直な質問。「寒いんです。」
5:00
弁当を貰い、酸素(2000円)を買い出発。万歩計 14140歩。一晩眠ったので子供はかなり体力を回復した感じ。しかし少し進んでは休憩の繰り返し。
6:10
弁当を食べる。お弁当はビニールパックにご飯が入れてあり梅干し一つ、たくあん二切れ、あさりの佃煮10〜15粒、昆布の佃煮気持ちだけという素晴しく豪華な物でした。
6:35
九合目 外に出してある気温計を見ると9゜C 自動販売機 350円 万歩計 15732歩
8:00
九合五勺 昨日と同じで2〜30m登っては休憩の繰り返し 地図では八合目から九合目は30分 九合目から九合五勺は同じく30分となっているけどそれぞれ1時間35分、1時間25分と約3倍の時間が掛かる。でも地図では九合五勺から頂上までは30分と書いてあるのであと1時間半で頂上だと子供と話す。持って来た飲料は全部飲んだので水を買う。500ml 500円 自動販売機はなし 万歩計 17009歩
9:25
頂上 万歩計 18010歩。ようやく着いた。鳥居の前で記念写真を撮る。思わず顔がほころぶ。すぐ前にある郵便局へ 「葉書はありますか」と尋ねると「東海版カモメールだけしかないですがいいですか」とのこと。もし富士山頂にしかない葉書があればと思ったが ないのであれば仕方なし。持参の宛名シールを貼り備え付けのスタンプを押して葉書を出す。葉書代は地上と同じく一枚50円でした。スタンプを押してる最中子供が急に便意を催す。山小屋でポケットトイレットペーパー(2個100円)なるものを買い(富士山のトイレではティッシュペーパーは使用禁止だそうです。)山小屋裏のトイレへ 二つあるトイレはうんこで山盛状態。ズボンを降ろして出来る状態ではなかったので下半身すっぽんぽんになって貰ってどうにか用を足す。
 山小屋に戻りカレー(1000円)とラーメン(800円、インスタント)を二人で分けて食べる。山小屋の公衆電話で家に電話をする。携帯は新七合目まで通じていたがそれ以上は圏外表示となる。
10:25
富士山測候所を目指し出発
10:55
測候所 万歩計 19361歩。測候所の前の道がえらくきつい 真ん中は岩で滑るので道の端を登らなければならない所がある。測候所の黒板があり気温は5゜Cと書いてありました。何時現在かは見るのを忘れましたが…。3776mの表示がある石柱の前で記念撮影 何処かのホームページに書いてあった「民間人が行ける日本で一番高い場所」なる展望所に登る。ドームの北側で1.5m程の梯子を上がった所 2m*3m程のスペースだが手すりが細く間が空いているのでこわい。見晴らしは最高。遠くに雲の上に頭を出した山々が見える。素晴しい。苦労して登って来たかいがありました。
12:00
吉田口頂上へ。ドームを出てから尾根沿いに吉田口頂上を目指す。途中で何か自家発電の様な音がするので見てみると火口にわずかに残っている残雪の解けて出来た水を集めていました。自動販売機でファンタを買う 400円 水もなくなったので補給。500ml 500円 万歩計 21889歩。
12:10
下山開始。ここでトラブル 神社の前にある地図には現在地の赤丸の印がある前の道に「吉田口、河口湖口 登下山道」それから少し左横に「須走り口下山道」として道が書いてある。河口湖口に降りようと思っていたのでその「登下山道」を降り始めたがどう見ても登ってくる人ばかりで降りてる人がいない。変だなと思いつつ鳥居の所まで来てもう一度地図を見に帰って「登下山道」と云う文字を確認して降りる。ところがこの道を降りているのは私たち親子二人だけで、みんな右手のつづら折りの道を下っているではないですか。やっぱり向こうの道かな〜と思いつつ下山。
(LaLa注※登下山道だと登りの人と行き違うので皆さんもこの表示に惑わされないように気をつけて下さい)
13:25
八合五勺 頂上からここまで山小屋がない 登りをこの道で来ていたら登れたかどうか この小屋から隣のつづら折りの道に行くことが出来たのでそちらに向かう。万歩計 24660歩
14:00
八合目 つづら折りの道は快適。少し砂ぼこりが気になるが軽快に降りれる。子供はあまりに早く歩きすぎて足がもつれて顔から砂の中に。顔中が砂だらけで口の中も真っ黒になるがジャンパーと長ズボン手袋といういでたいちだったので怪我もなし。うがいをさせたりして水がなくなったので水を買う。500ml 600円 頂上より高い「下山する人はここから2時間山小屋がないのでここで飲料を買うように」という看板がやけに目立つ。万歩計 25917歩
15:55
六合目 八合目からここまでは赤土の固いつづら折りの道 八合五勺から八合目までは黒いくるぶしまで埋る砂状態で降りやすかったのが嘘のよう。滑るし膝に直接衝撃が来る感じ。自動販売機 300円 万歩計 32383歩
16:50
五合目 六合目からは富士山を横に歩く感じ さすがに疲れたのか何度か休憩をしながら五合目を目指す 何故だか分からないがこの道を歩いている間に車が3台砂ぼこりを上げて通っていく。富士山に登って非常に疲れていながら歩いている私にとっては「この道を車が通っていいのなら通って良い場所までバスを通したら」と思う。五合目に着くと河口湖行きの臨時バスが発車寸前。バスに飛び乗る。 万歩計 35928歩
17:30
河口湖駅 この当たりでいい宿があれば泊ろうと思っていたが駅について見てあきらめる。東京に出ることにする。
17:58
河口湖発
18:07
大月発
20:04
新宿着 新宿ワシントンホテル泊
翌日は都庁を見学して2:55羽田発のANAで高知へ帰りました。
持って行った物
食料
フランスパン(ドトールコーヒーのジャーマンドックに使用しているくらいの小さいの)3本 ジャムとマーガリンの使い切りのパック、キャラメル せんべい 干葡萄(食べず)
飲料
500mlの爽健美茶2本と水1本 これ以外にも本文の通りたくさん水を買いました。
装備
登山靴 杖 手袋 雨具 懐中電灯(使わず)

大変な思いをしましたが親子ともども非常にいい経験になりました。剣山には8月1日に、石鎚山には8月14日に登りました。これで次男の夏休みの自由研究は終りです。8月18日(今日は夢さんの誕生日です 8才になりました)

1998.8.8に須走り口から挑戦の伊藤恭子さんのお便り

ただいまぁ〜。
念願の頂上へ行ってきました。
今、私の両足は筋肉痛ですごいことになっています。
7合目までは去年経験していたので『まぁこんなもの』と思いつつ登りましたが、8合目からは未知との遭遇!!
それでは、今回の記録です。

1998年8月8日(土) 4:00 調布出発
5:30
富士アザミラインにて日の出。晴天!!
車を挟んで前方には、はっきりと富士山が見え後方にはオレンジ色の太陽がとてもきれいでした。
6:00
須走口 5合目登山開始
7:30 6合目
去年はここまでがかなり長く感じたが今回は短く感じました。 所々、去年のことを思い出しながら(この石見覚えあるぞ...etc)
去年は咲いていなかった花が咲いていたり....
9:30 7合目
 昨年リタイヤしたところ。今日は風の吹いていなくて目線と同じところに真夏の入道雲が偉大な姿を見せてくれました。
青い空と白い雲と下をみれば緑の木々が...最高の眺めですね。
ここまではTシャツとジーンスで来ました。
霧がかかってきたので長袖のシャツを着ました。
10:45 本7合目
 8合目だと思いきや『本7合目』ちょっとショックになる。
ウィンドブレーカを着ました。
11:25 8合目
 さすが日本一の山。少し冷たい風も吹いてきました。
歩いていれば体温が上がり温かいが、休憩をすると体が冷える。
登山道もけっこう険しい。心配していた高山病の気配はないが眠気が襲う。
12:00 本8合目
 またもや、富士山にやられた。9合目だと思ったのに.....
ここまでくるとメンバー全員無言になり、ただひたすら登る。
まわりを見るといつの間にか草木がなくなり、火山石のゴツゴツした登山道になっていた。かなり大きい岩もある。
人ごとだが、かなり年をとったご老人には大変だと心配したり...
?:?? 9合目
 見なかったような気がする。鳥居をくぐったがそれが9合目?
ここからが、一番きつかった。
かなりきつい斜面と大きな岩ばかりの道。
メンバー本当に無言になる。
時々、口を開くが出る言葉は『焼き肉食べたい』「アイスがほしい」『チョコもってくるの忘れた』などなど...
登ることと食べるもののことが頭にあるだけでした。
なんでこんなことしているんだろう!!って考えながらも絶対に頂上へ行かなくちゃって(ほとんど意地)、しかし足取りは『牛歩』....(足がなかなか進まない)頂上の旗が見えるだけにもどかしい。
13:50 10合目
 狛犬の鳥居でばんざぁ〜い!!
すっかり霧に包まれてしまいましたが無事登山成功!!
お湯を沸かして、インスタントの豚汁とコーヒーを飲みました。
しかし寒い。フリースを今回は荷物になるからと持ってこなかったことを深く後悔する。
寒いが郵便局まで歩き、記念にはがきをだしました。
15:00 下山
 須走口を下山。去年のように転ぶことなく快調に降りる。
しかし、麓に近づくにつれて両膝の笑いは止まらない。 17:30
下山道でただ一つのお茶屋に到着。
もう膝は大笑い状態。5合目まで道のりは勇気を持って足を運ぶがそのたびに前進に筋肉痛が走るありさま。
18:00 5合目到着
 駐車場までの坂道、かなりきつい斜面を登る。
(富士山は最後まで登ることの楽しさを筋肉に教えてくれました)

1998.7.29に富士宮口から挑戦の高松直人さん e-mail:<mayaen@geocities.co.jp>のお便り

7月の29.30と、深夜登山で登って参りました。
細かい旅行記はあらためて記すつもりですが、
偶然にも、富士山に登る予定があった知人がいて、
その人のために急きょまとめた電子メール用の文章がありますので
それをとりあえず送らせていただきます。
以下初めて、富士山に登るという人に宛てたメールより。
私は、横浜で知人と待ちあわせて、東名で御殿場まで行きました。
御殿場の市街から33キロで表富士宮口5合目です。ここで標高2400メートル。
車で到達できる富士山の登山口としては、一番標高が高い所です。
ここから歩きはじめたのが夜の9時45分。懐中電灯を頼りに深夜登山でした。
深夜登山にした理由はただ一つ。太陽の下での登山だと、ひどく暑いと聞いたからで す。
水分の消耗が激しくて、持参する水の量が馬鹿にならないようなのです。
もちろん山小屋はたくさんあって、そこで水など手に入るのですが、下界に居たとき は、あまりそこで金は使いたくないと考えていたものですから。
さて、私の場合、登り始めてから30秒で息が上がってしまいました。
山歩きは結構好きで、それなりに自信もあったのですが、これは大変な事になる予感 がしました。同行の知人の方が達者で、どんどん先に行ってしまいます。
歩くなんて久しぶりだなんて言っていましたから、これは高度にどれだけ適応出来る かの差ではないかと思われます。
私もだらしないが、それだけではないと思います。
登り始めてすぐに、自衛隊の訓練登山と一緒になりました。
彼らのことだから、駆け上がりでもするのかと思っていたら全く逆でした。
私たち一般登山者と同じか、あるいはもっとゆっくりしたペースで登っていました。
具体的には15分のぼって、10分休むペースです。
私たちも、同じような調子で歩いていたので、彼らとは付かず離れずの道行きでした。
このペースは参考になるでしょう。
歩いているうちの15分で、どれだけ登れるかは個人差があるでしょうが、とにかく15分登ったら、10分以上休むのが良いと思います。
標高が上がるにつれて、とにかく気温の低下がすごいです。
風も吹いてくるので、体感温度は更に下がります。
汗をかいているので、危険なほど寒くなります。
歩いているうちは、あまり寒さを感じませんでしたが、休憩の度に震えてました。
歩けば疲れ、休めば寒くなり、そう8合目を過ぎてから過酷な感じになってきました。
私の場合、7合目の小屋を過ぎて少ししてから、高山病の兆候が出てきました。
これははっきりしていて、懐中電灯に照らされる景色が黄色に染まってくるのでした。
光に照らされた部分が、クレヨンのやまぶき色みたいになるのです。
初めは、それ以外の事はないので、面白いとか、不思議なものだなどと言いながら登っていましたが、それはあくまで兆候であって、本当の辛さはもう少し先に来ました。
口の中に血の味がして、奥歯の辺りがずきんずきんと痛みます。
すこしでもペースを上げようものなら、吐き気が襲ってきます。
そのころのペースと言ったら、一歩あたり自分の足のサイズ、25センチでしかない。
上を見ずに、自分の足の先だけをぼんやり見つめながら登りました。
結果、頂上に着いたのは午前4時ちょうどでした。
正確に言えば、頂上にある浅間神社の前、山頂郵便局の軒先に転がり込んだのがその時刻でした。
あと少しで真の頂上、剣が峰3776メートルだったのですが、もうだめでした。
強い風と、霧雨の中で、自衛隊の人たちと一緒に横たわっていました。
きっかり一時間で下山を決意。
一応、噴火口だけは見て、そそくさと同じ道を下りました。
雲がかかっていたのは山頂部だけだったらしくて、少し降りたら陽が出ました。
高山病の気持悪さは相変わらずありましたが、その景色は素晴らしかったです。
全く直視できないほどの真っ白の太陽と、その下に広がる雲海が、今までの辛さの大部分を帳消しにしてくれました。
とくに太陽の光の強さには感激しました。
午前9時、登山口に到着。
風呂に入ってから帰りました。
最後、千歳船橋に着いてから猛烈な雷雨にあって、持っていったレインコートがこんなところで役に立ちました。
まとめ
登りで6時間15分。内、歩行時間3時間15分。
下りで4時間。内、歩行時間2時間55分。
持参した水分、タップボトルのお茶で3リットル。内、実際消費した量1リットル。
持参した食料、ビスケット、チョコレートなど2千円相当。内消費したのは、チョコバー2本、ゼリー飲料1つ。ビスケットほんの少し。
登山開始時の服装が、ジャージ下、長そでシャツ、ウインドブレーカー。
頂上時の服装が、加えて、ウインドブレーカー下、トレーナー、フリースの長そで。
風よけのビニールシート。
使ったお金が、1万円。内交通費が6千円。無駄だった食料費2千円。ふもとで食べた 食費千円。
たくさん、水とかお菓子とか持っていったが、寒さで水を飲む気にもならず。
アサヒ十六茶2リットルボトルは完全なお荷物でした。
もし、持っていくなら、水は、こちらで500のタップボトルに分けて3つか4つ、持っていけば十分だと思います。中身を水道水にすれば、途中で捨てても未練ないし。
上の方に行って、食欲があるようなら、逆に、チョコの一かけらでも十分下山できる。
途中の小屋でいくらでも売っているから、持参の食料も程々で良いと思います。
私の場合、気分悪くて、何かを食べる気にもならなかったです。
薄い大気に対しての適応度には、個人差があるので、一般的な事は言えませんが、ふもとで十分食べておけば、一応、最後までもつと思います。
でも、キットカットとか、オレオとか少しは持っていくべきでしょうが。
費用のほとんどは、だから交通費です。
河口湖とか、御殿場とか、最寄りの駅迄と、そこから登山口までのバス代で、往復7千円くらいではないでしょうか。
結論としては、日数で2日。経費で1万円。予備で一日と一万円あればいいのでは。
表富士宮だけでなくて、幾つか登山口があります。御殿場口だけは標高1440と低いので、ここからは登らないほうがいいと思います。下山口としてなら使えます。
一般的なのは、やはり表富士宮口と、河口湖口のようです。
ネットで富士山で検索しても幾つか個人のホームページがあります。
凄く参考になりますよ。
以上
こういう文面を富士登山初トライ者に送りました。
本当に楽しい登山でした。
自分の足で歩いているだけなのに、すごく寒くなってしまったのはまったく、不思議な事でした。

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