第37回青梅マラソン 快走録(UPDATE:2003/2/19)
runner
まあ物には話の順序があるので、まだお読みでない方は31回からお読み下さい。

●練習不足をお嘆きのあなたへ愛を込めて
◇SPORTS ENTRY
 今回は夏からちゃーんと走り込みしてたのです!
蝉時雨の北の丸公園、熊笹を刈り取ったあとの草いきれ、流れる汗。
9月2日、今年から始まったSPORTSENTRYからの青梅マラソン参加申し込み。
いやはや、便利になったものだ。毎回、新しいことにチャレンジしてくれる青梅マラソン大会である。
◇抽選結果のお知らせ
 10月28日、当選の通知メールが届く。
この頃から忙しくて、まったく走りに行けない日々が続く。これまでの練習の成果がああ…
本登録もwebとコンビニの代金収納サービスでできるのはありがたいことです。
インターネット歴は長いが、こうしたシステムの利用は初めてだったので、改めて便利さを実感した。
然しながら、練習不足で不安だらけ。でもまだ4ヵ月あるさ…
◇またまた夜の甲州街道
 次々とやることが増えて、あっという間に1月7日。今年は正月も忙しくてまったく走れない日々が続いたが、 正月返上でやっていた大仕事がやっと片付いた。
とうとう、あと2ヵ月もなくなってしまい、いよいよあの凍てつく夜の甲州街道を走って帰るより他に道は残されていない。
追い込まれるのは大嫌いなんだけど、追い込まれたなあ〜と、トレーニングウェアに着替えて飯田橋のオフィス を出て、武蔵野の自宅へ向かって走り出す。
が、初日は阿佐ヶ谷で挫折。残り8kmくらいを電車で帰る。
◇すがすがしい朝の甲州街道
 阿佐ヶ谷から荻窪へと少しずつ距離を伸ばすが、自宅まで完走できない日々が続く。もう1ヶ月も無くなっちまった!
1月20日、この日から一大決心をして早朝、通勤ジョギングをしてみる。
初日は6:40に家を出たらオフィス到着9:10と10分も遅刻してしまったが、やっと武蔵野から飯田橋までの約20km完走ができた。
◇二日酔いと制限時間と青梅の試走
 1月13日の青梅の試走はこの頁の取材がてらということもあって片道だけ。
ようやく30km走れる自信が出てきたので2月1日、練習を兼ねて青梅へ行く。
家の近くは走り飽きているので、何か奮い立たせるものが欲しくて、青梅まで車を飛ばした。
前日の夜、中学校時代からの友達と遅くまで呑んだので、ちょいと二日酔いぎみ。
いつもの玉川上水コースとか多摩湖自転車道コースだったら15kmくらいであがっていただろが、青梅には試走ランナーが沢山走っ ており、挨拶を交わしながらなんとか30km走りぬくことができた。
なんと、タイムを照合するとどのポイントも制限時間丁度に走り抜けているではないか!
◇武蔵野東技能高等専修学校陸上部
 僕のメインページでも紹介している武蔵野東学園は、自閉児と健常児の混合教育で知られる私立学校で、 僕の息子達は幼稚園からこの学園にお世話になっている。
今年の青梅には、この東学園の高等専修学校の陸上部の生徒達がエントリしているという情報をもらう。
武蔵野東技能高等専修学校陸上部は暮れの全国高等専修学校駅伝競走大会で、男子は優勝、女子は準優勝 という輝かしい記録を持っており、個人的な青梅の楽しみが1つ増えた。
◇陸上同好会「チームてけてけ」の仲間
 僕はこの頁がきっかけで「チームてけてけ」というランニングサークルに所属している。
主宰のたいらー氏から青梅での集合時間のお知らせがやってきた。
でも3年も練習に出てないせいで顔も知らない仲間たちとの待ち合わせは複雑な心境。
いや、知ってるみんなにも僕の顔も忘れられているかもしれん…
◇快適な地下駐車場
8:30頃に河辺に到着。
河辺小学校でいつもどおりゼッケンを受け取って、青梅市立総合病院の地下駐車場へ向かう。
やはり今年もこっちの会場は空いていて、場所はとり放題であるが、昨年入り口付近を陣取ったら外気が 入ってきて寒かったので、今回は少しだけ奥に陣取る。後から来る「てけてけ」の仲間の分も考えて多め に取っておく。
そして、今回の秘密兵器がウレタンマット。そうキャンピングの際にテントの中に敷くあれである。
これは快適!やはり地下駐車場の床はコンクリートの打ちっぱなしなので下からの冷えがきつく、座っ ていて尻が冷えるし痛いしでどうにも塩梅が良くない。そこで考えたのがこの一品!
僕のヌクヌクさを見て、来年からはきっとマット持参者が増えることでしょう。
◇待ち合わせと10kmレース
 「てけてけ」の集合場所に行くと懐かしい顔がいる。今回の参加者は僕を入れて5名(1名は朝5: 00に就寝についたということで集合時間には4名)らしいが、主宰者がいないとお互いが分からない という凄いチーム。
もう1名を待っていたが、僕だけ別行動を取って「陸上部」の10kmの応援に行く。
スタート地点に行くと生徒と共に40歳代の部に参加するO先生が居たので声を掛ける。
陸連登録者だけあって、カモシカのような足をしてる。僕とはエライ違いだ。
普通は30kmの列の長さに驚くのだろうが、僕は10kmの出走者の列の短さに驚いた。
「チームてけてけ」と携帯で連絡を取ると女性更衣室の方にロッカーがあるので、体育館で着替える ことにしたという。
快適な地下駐車場を捨てるのに忍びないので再合流をあきらめる。
◇あっという間の30分
 10kmの選手が帰ってくるまで30分しかない(なんというスピード!)、自分のレースまでも 後2時間しかないので、買ってきたおにぎりを2つ食べる。
昨年の経験を生かし、駐車場入り口のカーブミラーでブリーズライトを水平に装着。
外に出ると雨が本格的に降り始め、体育館前の方からはざわめきが聞こえてきた。
もうトップが帰ってき始めたのである。
10km参加の人たちはレースを楽しむ時間なんてないんじゃないだろうか…
◇はええなああ〜
 もう続々と帰ってくる上位選手達の名前をアナウンスしている。
高等専修の陸上部の生徒達も続々と帰ってくる。45分前にはO先生も帰ってきた。
フィニッシュではT先生が携帯で連絡を取りながらゴールした後の生徒達に指示を出している。
60分を過ぎても帰ってこない生徒がいるのでT先生と目を凝らして待っていると体育館の先生 から電話が入り、「もう全員、帰っている」とのこと。
おそるべきは青梅の混雑!まあ、眼鏡かけてなかったしね。迎えてあげれなかった生徒達よごめんね。
◇トイレが縁の雨合羽
 地下駐車場に戻ると、結構な人ごみで、もうスペースが無くなってきている。
後から聞いた話では、どうも満員御礼の体育館から回されてきたらしい。
時報で腕時計をセットして、最後のトイレに行こうと地上に上がると仮設トイレには長〜い行列。
僕の頭の中の会場周辺のトイレの配置から導き出した答えは河辺小学校脇の公園の仮設トイレ。
ちょいと場所は離れるが、スタートに間に合うかどうかの列にならぶよりずっとまし。
雨の中、スタート地点で先に出走登録をしてから、着いてみると、案の定ガラガラ。
用を済ませて、再度、スタート位置に向かう途中、10kmレース参加者だろうか、「これあげるよ」と 差し出してくれたのがビニール袋に穴を開けたおなじみの即席雨合羽。
蒸れて返ってよくないかな?という考えが頭をよぎったがありがたく頂戴した。
◇スタート
スタート位置に着くとこの頁の読者が声を掛けてきてくれた。
なんとゼッケン2番違いというではないか、Webで繋がった仲間がここにもいる。
帰宅ランや通勤ランは辛かったけどやっぱり青梅はやめらんないなあ。
ゼッケン9296さんと固い握手して健闘を誓いあったあと、またこっちをジッと見ている人がいる。
おや?また読者かなって思ったら、それいいですね…と例の即席雨合羽をうらやましそうに見ていた。
雨はやみそうになく、どうもこのトイレが縁のビニール袋は黄うん、いや幸運を運んできたのかもしれない。
スタート!腕時計もドンピシャ12時00分。
昨年の長嶋効果によるロスタイムを恐れ、道路右側の走りづらいところを駆け抜けて、前へ前へと進み、スタート 地点通過が4分30秒。
「これならOK!ミスターも雨の中ご苦労さま!」と小さな独り言。
◇氷雨の青梅路
 へそまんで応援してくれている和太鼓の子ども達と左手でタッチをしながら坂を上っていく。
セントフローリア教会の前の花嫁の数は3人だ。(良かった減ってない)
昨年は手を振る彼女達に対しても余裕がなくて握手をしなかったが、今年は違う。
軍手が濡れていて、彼女達に悪いなあって思って、余裕のノーリアクション。
決して調子は良くはないけど、あせってもいない。
寒いし、シューズも濡れてぐちゃぐちゃだけど、湿り気十分な空気のお陰で給水はいらないし 呼吸も楽にできる。
市民サポーターからチョコを1かけらもらってエネルギー補給。でもこんなにもらわないで走れる青梅は初めての経験。
◇またかよ!立小便すんなよもう
 今年は、雨で冷えるせいか、はたまたスタート前にトイレに行けなかったのか、山道に入る前の市街 の駐車場とかでも立小便するランナーを多く見かけた。
雨で下水に流れてくれるといいけど、明日以降のあの駐車場の悪臭が気になる。
もう少しレースをサポートしてくれている市民の気持ちを考えて欲しい。
セブンイレブンに入っていくマナーのいいランナーも見かけた。いや、多分トイレを借りに入ったのだと 思いますよ。でも案外、おにぎりとか買ってたら面白いけどね。
横で走ってる女性ランナーで「もうちょっと見えないとこ行って欲しいわよ」って言ってる方いましたけ ど、ほんとだよね〜かっちょ悪いランナー達だぜえ。
◇折り返し
 折り返し通過は13時38分くらいだったかな?10km地点の通過が13時10分かなんか、まあまあ 順調に来てるなあって感じで回ったんですけど。
近くの人が時計見て「ぎりぎり大丈夫だよ」って言ってるの聞いたら、急に不安になりました。
暫く「ギリギリ」が頭についてしまってね、確かにギリギリだよなあって…
前回、そのギリギリってやつ経験してるだけにね、ドキドキしてしまいました。
でもあれですね、やっぱり自分は走れるっていう確信を持つことが完走に繋がります。
あせると心拍数はあがるし、ペース乱れていいこと1つもないんですね。
だから、自分はこのままのペースで最後まで走れるって信じることが大切なんですね。
川井の15km地点通過、1時間40分22秒(7304位)
◇お煎餅と氷砂糖
 おばちゃん「いつもお煎餅をありがとう!」
今年は醤油せんべいと氷砂糖を用意してくれていました。
雨で軍手がぐっしょりなので、氷砂糖を口に入れてから舌で右のほっぺの中に押しやり、お煎餅を割って から口に放り込みむしゃむしゃと頂きました。
ときどき、氷砂糖の甘さがお煎餅の方にやってきて、僕の嫌いなザラメ付きのお煎餅の味になったりする のを楽しみながら、山を下る。 沿道では市民サポーターがいろんな種類のアメを下さいますが、氷砂糖が一番長持ちします。
この氷砂糖は20km地点までほぼ5kmの間、僕の口の中にいました。
20km地点通過、2時間12分18秒(7178位)
◇関門と回収バス
 前回は関門通過のたびに、閉鎖の準備をする係員の姿と沿道の声援に肝を冷やし、それがまた気持ちを あせらせたわけだが、これは時間帯にしてほんの5、6分の差なのだと思うと恐ろしい。
関門の張り詰めた空気に迫り来る回収バスと道の脇をよろよろ歩くランナー達の姿が更に追い討ちを掛 け、凄く緊張したのを今でもはっきりと覚えている。
今回は雨のせいか、力尽きたランナー達の顔は憔悴しきっており、濡れて張り付いたシャツは骨を浮き 上がらせ、昨年より凄惨な感じがしたのだが、この5、6分の時間差が関門の空気を和らげているの で、「まだ大丈夫」と自覚もできるし、フィニッシュへ向かう気持ちにもまったくブレがない自分を 感じることができる。
今年は「チームてけてけ」のメンバーが1人、昨年の僕とほぼ同じタイムで帰ってきたが、同じような 感想を言っていた。
◇元気足りて礼節を知る
 宮ノ平の最後の関門の上り坂は、ゾンビの群れ。雨足は太陽だけでなく、青梅マラソンの明るさま でも奪ってしまっている。
前回のレースでは、閉鎖寸前の関門をかいくぐり、回収バスの前を走って帰って来たわけだが、沿道で アメ玉を差し出し応援してくれる子供達にも笑顔を返せず、給水のコップも水がたくさん残ったまま 投げてしまったりとまったく情けない状態だった。
 今回の雨の中の厳しい展開の中で僕の前のランナーがゴミ袋を広げてくれている市民サポーターの脇 にコップを投げ捨てていき。ゴミ袋を広げていた方が「マナーが悪いぞお!」と声を上げていた。
いやはや、まったくその通り、だけどもうその余裕がないんだろうなあって、ランナーの気持ちもよく 分かりました。
やっぱりね、僕らは市民ランナーだからね、もっと元気を抱えて走らないとね、いけませんね。
長丁場のレースは楽しまなくっちゃあネ!
25km地点通過、2時間45分44秒(7022位)
◇農林高校の和太鼓
 今回、マイナー堂からは中島みゆきが「地上の星」で応援してた。
店主が、オヤジ達が奮い立つように願って選曲したんだろうなあって感じでね。
♪風の中のす〜ばる〜、雨の中のオ〜ヤジ〜♪
もう完走できるのは、自覚できた。
じゃあ、ゆっくりと楽に行けばいいじゃないか、どうせ完走が目的なんだから。
なあんて考えも頭をよぎる。
 そんな時、農林高校の和太鼓部の太鼓のリズムがやる気を奮い起こしてくれた。
「この太鼓のリズムで行けるとこまで行ってみよう、抜けるとこまで前のランナーを抜いてみよう」 ってそんな考えが急に浮かんできた。
1人、2人、3人、市役所前の関門を走り抜けてもまだ大丈夫、もう何10人抜いただろう。
あと信号2つ、まだ行ける、101、102…、最後のコーナーを曲がって、更に2人を捕まえて 200人以上を抜いただろうか、最後まで走り抜けたこと、無事に帰ってこれたことに感謝。
フィニッシュ、3時間16分15秒(6655位)
◇濡れた完走証
 いつものようにフィニッシュ後の体育館角で完走証を配っていた。
なんか、濡れた軍手で受け取るのも気が引けて軍手を取ろうとしたが、指が悴んでなかなか取れない。
どうせ濡れるしまあいいかとも思えたけど、やっぱり軍手を取った。
おにぎりをもらって体育館脇に出るが、病院の地下駐車場まではさらに200m。雨の中、最後のRUN。
地下駐車場に入るときに隣にいたランナーと「これが本当のフィニシュですよね」って。
やっぱり完走証は濡れていた。
雨の中、沿道で足踏みしながら応援してくれた皆さまありがとうございました。
みんな風邪ひかないといいけど、歩いちゃった人は心配です。
回収バス乗った人も風邪引いちゃった人も仕切りなおしてまた来年青梅で会いましょう!
来年は天気になあああれ!


一般30キロ 男子の部
記録 太田 秀昭  3時間16分15秒 、6655位


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